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世界の主な資源企業について。

Norilsk Nickel(ノリリスク・ニッケル)


Norilsk Nickel(ノリリスク・ニッケル)はロシアの非鉄金属生産最大手。ニッケル・パラジウムの生産量は世界一であり、特にパラジウムは生産世界シェア46%(2007年概算)。Norilsk Nickelのパラジウム生産状況がパラジウム価格動向に影響を及ぼす。


ロシアを含め欧州、アフリカ、北米、オーストラリアなど世界各地で事業展開。メインの生産物はニッケル。ロシア国内北部のTaymyr Peninsula(タイミル半島)で複数の鉱床からの生産部門であるPolar Divisionが主力。


北米では米国の白金・パラジウム生産最大手Stillwater Mining(スティルウォーター・マイニング)を傘下に抱える。また、2007年にLionOre Mining International(ライオンオア)を買収、またOM Groupのニッケル資産を取得したことによりアフリカやオーストラリアの資産を組み込んでいるが、資源価格の急落などの原因によりオーストラリアでの操業は中断している。南アフリカ共和国ではAfrican Rainbow Minerals(アフリカン・レインボー・ミネラルズ)と折半出資によるJVを組んでいる。欧州のその他の地域ではフィンランドで唯一の精錬所であるHarjavalta精錬所を所有している。



【2007年】   【2006年】

Norilsk Nickelの事業は大きくニッケル、銅、パラジウム、白金(プラチナ)、金に分かれる。


売上の60%前後がニッケル販売によるものであり、次いで銅が大きい。エリア別売上は欧州向け(ロシア国内除く)が全体の60%を占める。


売上高利益率50%前後という高収益体質の会社であり、BRICsの一角としてのロシアの発展に伴い高成長を遂げる。2002年~2006年で1株当たり利益(EPS)が約10倍になっている。


2005年~2008年で株価約5倍(RTS:GMKN)。2007年中盤のニッケル価格急落時においても株価は堅調、2007年終盤の米国サブプライム問題による世界的な株安で一旦下落するが持ち直している(2008年4月)。しかし、ニッケル生産企業である以上、ニッケル価格の動向に左右されるという事実は否めず、ニッケル価格が今後さらに下落していく状況になれば、同社の株価に悪影響を及ぼすと見られる。また、パラジウムも自動車触媒としての需要が高いため、自動車産業の不振によりNorilsk Nickelの株価も不利に動く。



Norilsk Nickelに関しては、主力である非鉄金属の需要動向に加え、2008年からの株主による株式取得の行方によっても株価が左右される可能性もある。特にNorilsk Nickelを巡っては主要株主や政府の意向もからんでおり、何かと注目される企業と言える。


Norilsk Nickelはロシアの複合企業であるInterros(インターロス)が主要株主であり、InterrosはNorilsk Nickel株式を約30%所有している。また、ロシアのアルミ生産最大手UC Rusal(UCルサール)が株式を25%+1株所有しており、拒否権を持っている。


ロシア鉄鉱石生産大手であるMetalloinvest(メタロインベスト)の主要株主であるGallagherと、Norilsk Nickel主要株主のInterrosが世界一の資源企業を設立させるため、Norilsk Nickel(ノリリスク・ニッケル)とMetalloinvestを合併させる計画を立てている(2008年5月発表)。


両社の発表では、GallagherがNorilsk Nickel株式を10%まで取得し、InterrosがMetalloinvest株式を25%+1株取得する意向を示している。


また、合併計画には、UC Rusalも加える構想を練っている(実質はUC Rusalの大株主であるBasic Elementとの交渉)。しかし、UC Rusalは単独でNorilsk Nickel株式を取得しており、Norilsk Nickelを完全買収する可能性も示している。そのため、Metalloinvest、Norilsk Nickel、UC Rusalの3社が合併するかどうかは今後の動向による。


もし3社が合併すれば、ニッケル・パラジウム世界一、アルミ世界2位、鉄鉱石世界4位という巨大企業が誕生することになる。2008年6月の取締役会では、経営陣がInterros側の人間に代わったため、Rusal側にとっては不利な状況になる可能性もある。


しかし、2009年に入りロシアでは政府系の世界最大級資源メジャー設立に向けた大合併構想が浮上しており、ロシア政府が株式を所有することで政府系企業となる可能性がある。

(Norilsk Nickel + Metalloinvest + Mechel + Uralkali + Evraz)


Norilsk Nickel(ノリリスク・ニッケル)のニッケル部門での生産はほとんどがロシア国内による。


ロシア国内での生産はロシア中央部のKrasnoyarsk(クラスノヤルスク地方)に位置するPolar Divisionと、ノルウェー、フィンランドとの国境近くのMurmansk(ムルマンスク州)でのKola MMCとに分かれる。

このロシア国内の2部門での生産が全体の8割を占める。主力鉱山はTsentralny鉱山、Oktyabrsky鉱山など。


ボツワナでは2007年のLionOre Mining Internationalの買収によりボツワナのニッケル生産企業Tati Nickelの権益85%を取得しており(残りはボツワナ政府)、同国東部の都市Francistown(フランシスタウン)近隣で所有するニッケル鉱山から鉱石を採掘し、ボツワナ企業BCLが同地域で所有するニッケル製錬所へ供給している。

Norilsk Nickelの2007年のニッケル総生産量は約29万5000トン。


Norilsk Nickel(ノリリスク・ニッケル)のパラジウム部門の生産もそのほとんどがロシア国内であり、全体の9割近くを占める。


また、買収により取得した米国のStillwater Mining(スティルウォーター・マイニング)はNorilsk Nickelの米国部門を担う。Stillwater Miningは米国内での生産がメインであり、生産量はNorilsk Nickel全体の約1割を占める。


Norilsk Nickelの2007年のパラジウム総生産量は約353万オンス(グループ全体、Stillwater Miningの生産量含む)。


主な鉱山

Norilsk Nickel(ノリリスク・ニッケル)の主な鉱山とその産物、生産に携わる傘下企業・JVの名称。

オーストラリア
・Black Swan-ニッケル
・Cawse-ニッケル
・Lake Johnston-ニッケル
・Waterloo-ニッケル

米国
・East Boulder-PGMStillwater Mining
・Stillwater-PGMStillwater Mining

ボツワナ
・Phoenix-ニッケル・銅Tati Nickel
・Selkirk-ニッケル・銅Tati Nickel

南アフリカ共和国
・Nkomati-ニッケル・銅Nkomati JV

ロシア
Polar Division
・Komsomolsky-ニッケル・銅
・Mayak-ニッケル・銅
・Medvezhy Ruchey-ニッケル・銅
・Oktyabrsky-ニッケル・銅
・Skalisty-ニッケル・銅
・Taimyrsky-ニッケル・銅
・Zapolyarny-ニッケル・銅

Kola MMC
・Kaula-Kotselvaara-ニッケル・銅
・Severny-ニッケル・銅
・Severny-Gluboky-ニッケル・銅
・Tsentralny-ニッケル・銅

参考:各社HP