Industrias Penoles（ペニョーレス）

Industrias Penoles（ペニョーレス）はメキシコの非鉄金属製錬大手。銀の精製が事業のメイン。亜鉛や鉛などベースメタルの鉱山生産も行っており、上流から下流まで一貫生産を行っている。銀・金の鉱山生産も行っていたが分離しており（Fresnillo）、同社の株式を約77％所有している。メキシコの資源企業としてはGrupo Mexico（グルポ・メヒコ）とともに国内を代表する企業。1968年にBMV（メキシコ証券取引所）に上場している。

鉛・亜鉛はそれぞれメキシコ国内に所有する国内最大級の鉱山から生産を行っており、メキシコ国内最大の亜鉛・鉛生産企業。またFresnillo含めたグループ全体では銀生産量は国内最大であり、英国・オーストラリアの資源メジャーであるBHP Billiton（BHPビリトン）と肩を並べる世界最大級の銀生産量。金生産量は国内最大級であり、カナダの金生産大手Goldcorp（ゴールドコープ）とともにメキシコ全体の金生産において大きなシェアを持つ。また銅も少量生産している。傘下企業含め全体的に生産拠点は同国中央部から北西部がメインであり、南部で所有するTizapa鉱山は日本企業とのJV。

メキシコ国内で貴金属（銀・金）鉱山の生産を行っていた完全子会社Fresnilloを2008年にスピンオフによって分離し、英国のLSE（ロンドン証券取引所）に上場させている。Fresnilloは世界最大級の銀生産規模を持つFresnillo鉱山をはじめとしてメキシコ国内に複数の銀・金鉱山を所有。Industrias Penolesの銀・金精製事業の原料供給を担当しており、依然として同社の中核となっている。この分離により鉱山生産では銀・金はFresnilloが、ベースメタルはIndustrias Penolesが所有するかたちとなっている。またFresnilloが所有する鉱山からもベースメタルが少量生産されている。

Industrias Penolesのベースメタル部門は亜鉛・鉛・銅の生産。生産拠点はメキシコ国内中央部から北西部のチワワ州（Chihuahua）、サカテカス州（Zacatecas）、ソノラ州（Sonora）、そして南部のメヒコ州（Estado de México）。年間生産量は亜鉛・鉛は国内最大。

亜鉛生産ではサカテカス州に所有する国内最大級の亜鉛鉱山であるFrancisco I. Madero鉱山、及びチワワ州のBismark鉱山からの生産がメイン。両鉱山合計で2008年の同社の年間亜鉛生産量の半分近くを占める。同社の年間亜鉛生産量は約18万トン（2008年）。