生産推移 生産シェア 州別シェア 鉱山別生産 埋蔵シェア 輸出先

DISERによればオーストラリアの2021年における年間ボーキサイト生産量は約1億300万トン。※世界最大のボーキサイト生産国であり、世界全体の年間ボーキサイト生産量の約27％を占める。

オーストラリアではクイーンランド州（Queensland）、西オーストラリア州（Western Australia）、ノーザンテリトリー（Northern Territory）でボーキサイト生産が行われており、2021年では西オーストラリア州での生産がオーストラリア全体の年間ボーキサイト生産の約53％を占めている。

同国内においてはボーキサイトを原料とするアルミナ生産をオーストラリア国内で行っている資源メジャーRio Tintoと米国のアルミ生産企業※Alcoaがアルミナ精製目的や輸出の為にボーキサイト生産を行っており、同国内のボーキサイト生産において大きなシェアを持っている。

西オーストラリア州

オーストラリア国内最大のボーキサイト生産州である西オーストラリア州では同州南西部にボーキサイト鉱山及びアルミナ精製プラントが集中している。Alcoaが生産拠点を置いており、Huntly、Willowdaleの2鉱山から年間計3500～4000万トンクラスのボーキサイトを生産している。また国内企業South32（BHPから事業分割により設立）も同州で双日や伊藤忠商事などとJVでBoddington鉱山から年間1900万トンクラスのボーキサイト生産を行っている（Worsley Alumina JV）。

クイーンズランド州

クイーンズランド州では同州北部でボーキサイト生産が行われており、国内最大のボーキサイト生産企業であるRio TintoがAmrun鉱山など複数の鉱山で構成される国内最大のボーキサイト鉱山であるWeipa鉱山から年間3500万～4000万トンクラスのボーキサイトを生産している。また同鉱山の北部では国内企業Metro MiningがBauxite Hills鉱山から年間250万～300万トンクラスのボーキサイト生産を行っている。

ノーザンテリトリー

ノーザンテリトリーでは同州北部でRio TintoがGove鉱山を所有しており、年間1200万トンクラスのボーキサイトを生産している。また同鉱山の南部近隣ではオーストラリア初となる先住民による鉱山の操業が行われており（Gulkula鉱山、Gumatj Corporation）、Gulkula（Dhupuma Plateau）鉱山で生産されたボーキサイトは近隣でGove鉱山を所有するRio Tintoに販売されている。

オーストラリアで生産されたボーキサイトは大半が国内でアルミナ精製に使用されており、一部が輸出されている。UN Comtradeによればオーストラリアは2021年において※世界最大のボーキサイト輸出国であり、2021年では国内ボーキサイト生産全体の約3分の1となる約3600万トンのボーキサイトが輸出されている。中国への輸出量がオーストラリアの年間ボーキサイト輸出全体のほとんどを占める。

USGSによれば2021年におけるオーストラリアのボーキサイト埋蔵量は約53億トンとされている。世界3位のボーキサイト埋蔵国であり、世界全体のボーキサイト埋蔵量の約17％を占めている。可採年数は約52年。

※2021年の世界全体・オーストラリア以外の各国のボーキサイト生産量データはUSGSによる推定値（世界全体で約3億9000万トン）。データの無い国除く
※Alcoaのボーキサイト・アルミナ生産などの事業は国内企業Alumina LimitedとのJV（Alcoa World Alumina and Chemicals、AWAC）
※ 世界のボーキサイト輸出ランキングは輸出量データ。UN Comtradeにデータの無い国除く

参考：Department of Industry, Science, Energy and Resources、U.S. Geological Survey、Aluminium Stewardship Initiative、Geoscience Australia、Northern Territory Geological Survey、United Nations Comtrade、各社HP