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資源に関連する様々な用語について。

ナブッコ・パイプライン

英語Nabucco pipeline

ナブッコ・パイプラインとは中東のカスピ海(Caspian Sea)周辺で採掘される天然ガスを、ロシアを経由せずに欧州へ輸送するパイプラインのこと。トルコからブルガリア、ルーマニア、ハンガリーを経由する。

欧州は天然ガス消費量の3割をロシアの国営企業Gazprom(ガスプロム)に依存しており、ロシアからの既存供給ルートの経由国であるウクライナへのロシアの天然ガス供給停止などの制裁により安定供給に懸念が起きているため、ロシアへの依存を軽減するために同パイプラインの建設計画が立てられている。

ナブッコ・パイプラインの建設計画には同パイプラインの経由国を含めEU諸国や米国が賛成しているものの、ロシアとの関係悪化を懸念する供給国や、供給国の1つとして考えられるイランと米国の関係など様々な問題を抱える。

ロシアがナブッコ・パイプラインに対抗して同ルートと重複する新たなパイプラインの建設を計画しており、この計画も一部の欧州の国が賛成していることから、欧州各国での意見の相違により計画が進まない可能性もある。

また、ナブッコ・パイプラインが完成し同ルートから天然ガスの供給が開始されるのが早くて2014年とまだ先であること、そして供給が開始されても欧州の天然ガス消費量を完全に賄える量ではなく、ロシア依存への状況を打破するには至らず、ロシアと欧州各国との関係をさらに悪化する懸念もあるため、ナブッコ・パイプライン建設が実現するかは今後の状況による。

参考:産経新聞、各社HP