鉱山
チリの主な鉱山について。
|
|
Escondida(エスコンディーダ)鉱山はチリ北部にある世界最大の銅鉱山。チリ国内で豊富な銅埋蔵量を持つ第Ⅱ州の州都Antofagasta(アントファガスタ)の南東約170km、アタカマ砂漠にある。銅精鉱及びSX-EW法による銅カソード生産を行っている。メインであるEscondida鉱山や同鉱山近隣に位置するEscondida Norte鉱山の2つの露天堀鉱山で構成されており、2008年では世界全体の年間銅生産量の約8.11%、チリ全体の約23.5%に相当する銅を生産している。
チリのMinera Escondidaが所有。Minera Escondidaへは資源メジャーであるBHP Billiton(BHPビリトン)の完全子会社BHP Escondida、Rio Tinto(リオ・ティント)の完全子会社Rio Tinto Escondida、そして日本の三菱グループなどによる日本企業連合であるJECO Corporation(ジェコ)などが出資している。オペレーターはBHP Billitonであり、世界3位の銅生産規模を持つ同社の銅事業における主力鉱山である。
2010年4月にはIFC(International Finance Corporation、国際金融公社)が所有するMinera Escondidaの権益所有分2.5%を日本企業(三菱商事、日鉱金属、三菱マテリアル)が取得することで合意している。日本企業はJVを通じて2010年5月末頃に同権益を取得する見通しであり、追加取得分の出資比率は三菱商事が50%、日鉱金属が40%、三菱マテリアルが10%。日本企業のEscondida鉱山への総出資比率は12.5%となる(三菱商事8.25%、日鉱金属3.0%、三菱マテリアル1.25%)。
Escondida、Escondida Norte鉱山では硫化鉱、酸化鉱、低品位の硫化鉱の採掘が行われている。硫化鉱は近隣のLos Colorados及びLaguna Secaプラントで浮遊選鉱により銅精鉱が生産され、約170kmのパイプラインを通してAntofagasta南部にあるColoso港より出荷される。また銅カソード生産においては酸化鉱をリーチング処理、また低品位の硫化鉱をバイオリーチング処理した後にSX-EW法によって銅カソードを生産しAntofagastaより出荷している。
Minera Utah de ChileとGetty Miningの権益50:50のJVによる探鉱により1981年に銅鉱床が発見され、Getty Miningが1985年に権益所有分をJVパートナーであるMinera Utah de Chile、日本企業連合及びRTZ(現Rio Tinto)に売却。1988年にBHP Billitonがプロジェクトに参入するとともに権益の一部をIFCに移管し、現在の権益比率によるJVであるMinera Escondidaが設立される。
2年後の1990年に銅精鉱の初出荷が行われ、1998年に酸化鉱からのヒープリーチング及びSX-EW法による銅カソード生産が開始。2005年にはEscondida鉱山から北へ5km離れたEscondida Norte鉱山から鉱石の採掘が開始される。2006年にはバイオリーチングによって低品位の硫化鉱からの生産も開始されている。
日本企業JVの出資比率
※()内の数値は鉱山権益所有分
JECO(10%) | IFC所有分(2.5%) | 合計(12.5%) | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
三菱商事 | : | 70%(7.0%) | + | 50%(1.25%) | → | 8.25% |
日鉱金属 | : | 20%(2.0%) | + | 40%(1.0%) | → | 3.0% |
三菱マテリアル | : | 10%(1.0%) | + | 10%(0.25%) | → | 1.25% |
参考:各社ホームページより