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資源企業

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世界の主な資源企業について。

SQM


SQM(Sociedad Quimica y Minera de Chile)はチリに本拠を置く肥料生産を主体とした資源企業。チリ国内を中心に、世界各国で事業展開。チリの主要証券取引所であるSSE(サンティアゴ証券取引所)の他、米国のNYSE(ニューヨーク証券取引所)にADRで上場している。


チリ硝石(カリーチ鉱石)からのヨウ素・硝酸ナトリウム生産と塩湖からのカリウム・リチウム生産、そして硝酸カリウムの生産を行っており、硝酸カリウムは2008年では世界シェア47%(2007年では49%)。ヨウ素は世界シェア33%(同29%)を占める。塩湖における塩化カリウムの生産過程において副産物として生産されるリチウムも世界最大。塩水からのリチウム生産分野では世界全体のリチウム供給量の約30%を占める。


SQMは肥料メーカーとして1968年に設立され、CORFO(チリ経済開発公社)が株式を完全所有していたが、1983年から株式売却を開始、1988年に民営化されている。2007年ではチリの投資会社Pampa Groupが筆頭株主。子会社を含めてSQMの株式を32%所有している。


SQMの生産拠点はチリ国内であり、主に同国北部の第Ⅰ州(Tarapaca・タラパカ州)、第Ⅱ州(Antofagasta・アントファガスタ州)で生産を行っている。世界最大級のチリ硝石埋蔵地域である同地域において同社が所有するPedro de Valdivia鉱山、María Elena鉱山などでチリ硝石を採掘し、硝酸ナトリウムやヨウ素を生産している。第Ⅱ州東部にあるアタカマ塩湖(Salar de Atacama)では1995年に塩化カリウム、1997年には炭酸リチウムの生産を開始している。同塩湖では硫酸カリウムの生産も行っており、さらに硫酸カリウムの生産過程で副産物としてホウ酸も生産される。アタカマ塩湖は世界最大のリチウム生産地域であり、ドイツのChemetall(ケメタル)との2社でリチウム生産を独占している。リチウムの精製は同塩湖の西にあるSalar del Carmen施設で行われており、同施設では炭酸リチウムの他に水酸化リチウムの生産も行われている。

鉱山で生産される硝酸ナトリウムと塩湖で生産される塩化カリウムとを結晶化させることにより生産される硝酸カリウムがSQMの主力であり、硝酸ナトリウムと塩化カリウムはともにチリ国内のCoya Sur施設(第Ⅱ州・Pedro de Valdivia鉱山の北西)へ運ばれ、同施設で硝酸カリウムの生産が行われる。Coya Sur施設は1986年に操業が開始されている。


将来のリチウムのバッテリー需要の増加を見越して2008年に炭酸リチウムの生産規模を30000トンから40000トンへと拡大させている。硝酸カリウムは年間65万トン。


2008年には中国のMigao CorporationとのJVで中国国内に年間40000トンクラスの硝酸カリウム生産プラントを建設することで合意している。同プラントの操業開始は2010年中頃を予定している。


SQM部門別売上高
【2009年】   【2008年】   【2007年】

SQMの事業は大きくSpecialty Plant Nutrition(硝酸カリウムや硝酸ナトリウムなど、肥料用途)、Iodine(ヨウ素)、Lithium(リチウム)、Industrial Chemicals(硝酸ナトリウムやホウ酸など、工業用途)の4つに分かれる。


Specialty Plant Nutrition(SPN)が事業のメインであり、SQMグループ全体の売上の約半分を占める。


2009年では4部門全て売上高は減少しているのに対し、塩化カリウムの販売量の大幅増加により2009年では塩化カリウムの売上高が倍増、SQM全体の売上において塩化カリウムの占める割合が増加している。2010年には塩化カリウムの販売量を2009年の約56万トンからさらに倍の約110万トンに引き上げる計画を立てている。



主な鉱山

SQM(Sociedad Quimica y Minera de Chile)の主な鉱山とその産物。


チリ
・María Elena-硝酸ナトリウム・ヨウ素
・Nva. Victoria-硝酸ナトリウム・ヨウ素
・Pampa Blanca-硝酸ナトリウム・ヨウ素
・Pedro de Valdivia-硝酸ナトリウム・ヨウ素
Salar de Atacama-塩化カリウム・硫酸カリウム・リチウム・ホウ酸

参考:各社HP