資源企業
世界の主な資源企業について。
Vale(ヴァーレ)
概要 | |||||||||||||||
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Vale(ヴァーレ)はブラジルに本社を置く、多種類の資源を生産する資源メジャー。Companhia Vale do Rio Doce(リオドセ)との社名でCVRDなどの呼称として知られる。2007年11月に対外名称をValeへと変更、2009年5月にCompanhia Vale do Rio DoceからVale S.A.へと正式名称の変更を発表している。1942年の設立当初は国営企業であり、1997年に民営化されている。
主力事業は鉄鉱石。世界最大の鉄鉱石生産企業。ブラジル国内での鉄鉱石生産を独占している。
また2006年にカナダのニッケル生産大手Inco(インコ)を他企業との熾烈な買収合戦の末に取得しており、ニッケル生産規模が急拡大している。ニッケルの生産拠点は主にカナダ国内であり、カナダの鉱山では主産物であるニッケル・銅の他、副産物としてレアメタルであるコバルトやPGM(白金、パラジウム)も生産される。
以下、Vale公表ベースの主な生産量世界ランクなど。(2020年)
・鉄鉱石生産世界最大。
・ニッケル生産世界最大。
・マンガン生産ブラジル最大。
・Carajás(カラジャス)鉱山から生産される鉄鉱石の品質世界最高。
Vale(ヴァーレ)の鉄鉱石部門はブラジル国内の生産がメインであり、ブラジル国内で圧倒的シェアを持っている。鉄鉱石鉱山開発、鉱石を運ぶ鉄道、港湾関係まで一貫体制で操業を行っている。
生産された鉄鉱石・ペレットは主に中国を中心とするアジアに向けて出荷されている。
Valeのブラジル国内での生産は大きく、
・Southeastern System(サウスイースタン・システム) |
・Southern System(サザン・システム) |
・Northern System(ノーザン・システム) |
の3つに分かれる。またValeの中では生産規模は小さいがMidwestern Systemもある。全て露天掘による採掘。
Carajás鉱山をメインとして構成されるNorthern Systemからの生産量の占める割合が大きく、2019年ではValeの年間鉄鉱石総生産量の半分強を占める。
Southeastern Systemはミナス・ジェライス州にあるItabira(イタビラ)鉱山の鉄鉱石生産量が大きい。Itabira鉱山はCauê、Conceiçãoの両鉱山に分けられる。
Valeの2019年の年間鉄鉱石生産量は約3億200万トン。
Valeのニッケル部門は2006年に買収したIncoの資産からの生産が大きい。
主な生産エリアはカナダ、インドネシア、ニューカレドニア(フランス海外領土)。またブラジル国内でも生産を行っている。
インドネシアではインドネシア証券取引所(IDX)上場企業であるPT Vale Indonesia(PTVI)の権益を59.28%所有している。生産拠点はスラウェシ島。
Valeの2019年の年間ニッケル生産量は約20万トン。カナダでの生産が約半分を占める。
Valeのマンガン部門はブラジル国内での生産。最も生産量が大きいのはパラー州のAzul鉱山。
Valeの2019年の年間マンガン生産量は約158万トン。
主な鉱山・プロジェクト |
Vale(ヴァーレ)の主な鉱山・開発プロジェクトとそのターゲット。
インドネシア |
・Sorowako | - | ニッケル |
カナダ |
・Sudbury | - | ニッケル・銅・白金・パラジウム・金 |
・Thompson | - | ニッケル・銅・コバルト |
・Voisey's Bay | - | ニッケル・銅・コバルト |
ブラジル |
・Azul | - | マンガン |
・Carajás | - | 鉄鉱石 |
・Corumbá | - | 鉄鉱石 |
・Itabira | - | 鉄鉱石 |
・Mariana | - | 鉄鉱石 |
・Minas Centrais | - | 鉄鉱石 |
・Morro da Mina | - | マンガン |
・Onça Puma | - | ニッケル |
・Paraopeba | - | 鉄鉱石 |
・Salobo | - | 銅・金 |
・S11D | - | 鉄鉱石 |
・Sossego | - | 銅・金 |
・Urucum | - | マンガン |
・Vargem Grande | - | 鉄鉱石 |
モザンビーク |
・Moatize | - | 石炭 |
参考:各社HP