オーストラリア
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DISERによればオーストラリアの2021年における年間金生産量は約1000万オンス(約310トン)。※世界2位の金生産国であり、世界全体の年間金生産量の約10%を占める。
オーストラリアでは西オーストラリア州(Western Australia)を中心に国内全域にわたって金生産が行われており、2021年では西オーストラリア州の金生産量がオーストラリア全体の年間金生産量の約70%を占めている。世界の主要金生産企業をはじめとして多くの企業によって金生産が行われている。
西オーストラリア州
オーストラリア国内最大の金生産州である西オーストラリア州では国内主要金生産地域である州内南部のEastern Goldfieldsを中心として、南部から中央部にかけて金生産が行われている。国内最大級の金生産企業であるNorthern Star Resourcesが同地域を中心に生産を行っており、国内の主要金鉱山として知られるSuper Pit鉱山を含む複数の鉱山で構成される※KCGM(Kalgoorlie Consolidated Gold Mines)をはじめとして、Carosue Dam鉱山など近隣の複数の鉱山から年間計140万オンスクラスの金を生産している。
南アフリカ共和国の金生産大手Gold FieldsはSuper Pit鉱山近隣にあるSt Ives鉱山をはじめとしてGranny Smith、Agnewなど同州の複数の鉱山から年間計110万オンスクラスの金を生産している。同じく南アフリカ共和国の金生産大手AngloGold Ashantiも同州に生産拠点を置いており、Tropicana鉱山(国内企業※Regis ResourcesとのJV)などから年間計60万オンスクラスの金を生産している。
同州西部では世界最大級の金生産企業である米国のNewmontが国内最大の金鉱山であるBoddington鉱山から年間60~70万オンスクラスの金生産を行っている他、国内最大級の金生産企業Newcrest Miningは同州北部でTelfer鉱山から年間40万オンスクラスの金を生産している。
その他の州
西オーストラリア州に次ぐ金生産州であるニュー・サウス・ウェールズ州(New South Wales)ではNewcrest Miningが州内最大の金鉱山であるCadia Valley鉱山から年間60万オンスクラスの金を生産している。Cadia Valley鉱山では銅も生産されており、銅生産量も国内最大級となっている。
ビクトリア州(Victoria)ではカナダの金生産大手Agnico Eagle Minesが州内最大の金鉱山であるFosterville鉱山から年間50万オンスクラスの金を生産している。南オーストラリア州(South Australia)では資源メジャーBHPによって国内最大の銅鉱山であるOlympic Dam鉱山から州内最大の金生産量となる年間15万オンスクラスの金が生産されている。ノーザンテリトリー(Northern Territory)ではNewmontが同州西部にある州内最大の金鉱山であるTanami鉱山から年間50万オンスクラスの金を生産している。
USGSによれば2021年におけるオーストラリアの金埋蔵量は約11,000トンとされている。世界最大の金埋蔵国であり、世界全体の金埋蔵量の約20%を占めている。可採年数は約36年。
※2021年の世界全体・オーストラリア以外の各国の金生産量データはUSGSによる推定値(世界全体で約9700万オンス、約3,000トン)。データの無い国除く
※KCGMはBarrick GoldとNewmontのJVから2020年にNorthern Star ResourcesとSaracen Mineral HoldingsのJVへ移行した後、2021年にNorthern Star ResourcesがSaracen Mineral Holdingsを買収して権益100%としている
※Regis Resourcesは2021年にIGOからTropicana鉱山の権益を取得してJVに参入
参考:Department of Industry, Science, Energy and Resources、U.S. Geological Survey、Geoscience Australia、各社HP