オーストラリア
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DISERによればオーストラリアの2021年における年間錫生産量(鉱山生産)は約8,772トン。※世界8位の錫生産国であり、世界全体の年間錫生産量の約2.9%を占める。
オーストラリアでは錫は同国南東部のタスマニア州(Tasmania)を中心に行われており、2021年において同州での生産量がオーストラリア全体の年間錫生産量の約96%を占めている。オーストラリアでは錫鉱山は少なく、一部の企業が圧倒的な生産シェアを持っている。
タスマニア州
オーストラリア最大の錫生産州であるタスマニア州では同州西部にある国内最大の錫鉱山であるRenison鉱山で国内企業Metals Xと中国のYunnan Tin GroupとのJV(Bluestone Mines Tasmania Joint Venture)によって年間8,000トンクラスの生産が行われている。同鉱山で生産された錫(精鉱)は権益を所有するYunnan Tin Groupをはじめとしてタイやマレーシアの錫精製企業へ送られている。
その他の州
西オーストラリア州(Western Australia)では国内のタンタル生産企業Global Advanced Metals(旧Talison Tantalum)が所有する同州北部のWodgina鉱山や同州南西部のGreenbushes鉱山においてタンタルの副産物として生産されている。Greenbushes鉱山ではWodgina鉱山の鉱石も含め精錬まで一貫生産を行っており、オーストラリア国内や海外へ販売している。
UN Comtradeによれば2021年ではオーストラリアは世界最大の錫(精鉱)輸出国となっている。総量ベースで約15,600トンの錫がアジアへ輸出されており、中国への錫輸出量がオーストラリア全体の年間錫輸出の約62%を占めている。
USGSによれば2021年におけるオーストラリアの錫埋蔵量は約56万トンとされている。世界4位の錫埋蔵国であり、世界全体の錫埋蔵量の約11.4%を占めている。可採年数は約64年。
※2021年の世界全体・オーストラリアを除く各国の錫生産量データはUSGSによる推定値(世界全体で約30万トン)。データの無い国除く
参考:Department of Industry, Science, Energy and Resources、U.S. Geological Survey、Geoscience Australia、United Nations Comtrade、各社HP