ブラジル
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USGSによればブラジルの2020年における年間鉄鉱石生産量(鉱石ベース)は約3億8800万トン。オーストラリアに次ぐ世界2位の鉄鉱石生産国であり、世界全体の年間鉄鉱石生産量の約16%を占める。
ブラジルでの鉄鉱石生産は同国北部のパラー州(Para)、南東部のミナスジェライス州(Minas Gerais)を中心に行われている。世界最大(2020年)の鉄鉱石生産企業である同国企業Valeが2020年において国内で年間約3億トン(ペレット約3000万トン)の鉄鉱石を生産しており、同国の鉄鉱石生産において圧倒的シェアを持っている。
パラー州
ブラジル国内北部パラー州では同州南東部Carajas(カラジャス)でValeが所有する複数の鉄鉱石鉱山で構成される同社の主力部門であるNorthern System(Carajas鉱山)から鉄鉱石生産が行われており、Vale全体の2020年の年間鉄鉱石生産量の約3分の2を占めている。同鉱山では世界最高クラスの高品位鉄鉱石が生産されている。
ミナスジェライス州
国内南東部の主要資源生産地域であるミナスジェライス州ではValeの他、Valeに次ぐ鉄鉱石輸出シェアを持つ国内主要鉄鋼生産企業CSN(Companhia Siderurgica Nacional)がCasa de Pedra鉱山などから鉄鉱石生産を行っている(年間3000万トンクラス)。Anglo Americanも同州にMinas-Rio鉱山を所有しており、年間約2000万~2500万トンクラスの鉄鉱石を生産している。また鉄鋼大手ArcelorMittalもミナスジェライス州に所有する鉄鉱石鉱山から年間約300万トンクラスの鉄鉱石生産を行っている(Serra Azul、Andrade)。
Valeが生産した鉄鉱石は主に中国を中心としたアジアの鉄鋼生産国へ輸出されており、2020年ではアジアへの輸出比率がValeの鉄鉱石輸出全体の約80%を占めている。
USGSによれば2021年におけるブラジルの鉄鉱石埋蔵量は鉱石ベースで約340億トン(鉄含有量ベースで約150億トン)とされている。オーストラリアに次いで世界2位の鉄鉱石埋蔵国であり、世界全体の鉄鉱石埋蔵量の約19%を占めている。
参考:U.S. Geological Survey、各社HP