銅
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銅は生活の中で広く使われる金属であり、世界広域で生産及び開発が行われている。電気伝導性が非常に高く、また価格が安いことから、電線などのインフラ関連によく使用される。
銅(地金)は市場で取引され、英国のLME(ロンドン金属取引所)での取引価格が国際指標となっている。
銅の生産方法は従来より広く採用されている露天堀・坑内堀による鉱石採掘から乾式製錬及び電気精製により電気銅(銅地金)を生産する方法、そして湿式製錬であるSX-EW法(solvent extraction - electrowinning)による電気銅生産方法とに分かれる。採掘される銅鉱石は大きく硫化鉱と酸化鉱とに分かれ、主に硫化鉱は乾式製錬、酸化鉱はSX-EW法が適用される。
鉱床から銅鉱石(品位0.5~2%程度)を採掘し、鉱山で行われる浮遊選鉱により品位20~40%程度に高めた銅精鉱が生産される。銅精鉱はその後製錬所で乾式製錬により品位99%程度の粗銅となる。そして種板をカソード、粗銅をアノードとした電解精製でカソードに銅を付着させ析出することにより品位99.99%の電気銅を生産する。銅精鉱はチリやオーストラリアなど主要銅生産国で生産され、銅製錬が盛んな日本や中国などへ出荷される。
SX-EW法では鉱山で堆積された銅鉱石に希硫酸をかけることにより銅を浸出させた後、電解精製により電気銅が生産される。乾式製錬過程を経ず、低品位の酸化鉱などから効率良く電気銅生産まで行える。