鉄鉱石
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鉄鉱石とは鉱山から採掘される鉄を含んだ鉱物であり、鉄鋼の原料として使用される。埋蔵量は他の資源に比べ豊富にあるものの中国、オーストラリア、ブラジルの3カ国が世界全体の鉄鉱石生産において大きなシェアを占めている。中でも主要鉄鉱石輸出国であるオーストラリア、ブラジルにおける同国内の生産は一部の大手資源企業が寡占している。
鉄鉱石は天然では酸素を含んだ酸化鉄として存在し、主にヘマタイト鉱床やマグネタイト鉱床から採掘される。ヘマタイト鉱床から生産されるヘマタイト(赤鉄鉱)は品位が高く、世界有数の鉄鉱石生産国であるオーストラリアやブラジルでは主にヘマタイトの生産が行われている。同じく鉱石の1種であるマグネタイト(磁鉄鉱)やタコナイトはヘマタイトに比べ品位が劣る。
鉄鉱山から採掘された鉄鉱石は細かく粉砕され、その大きさから塊鉱石(Lump)や粉鉱石(Fine)と区別され製鉄所へと出荷される。世界最大級の鉄鉱石生産企業であるRio Tinto(リオ・ティント)が西オーストラリア州北西部のPilbara(ピルバラ)地域で生産する鉄鉱石であるPilbara Blend(ピルバラ・ブレンド)などが知られている。
粉鉱石は鉄鋼メーカーが所有する高炉に投入する前に産地の異なる鉱石の性質を均一化すべくブレンドされた後に焼結機によって焼結鉱に加工される。粉鉱石よりさらに細かい微粉鉱石は運搬が困難なためそのままでは出荷されず、鉱山でペレット(Pellet)に加工されて出荷される。ペレットと焼結鉱はともに鉱石をある程度の大きさに固めたものだが不純物の多さや還元しやすさなどの性質が異なる。
塊鉱石、ペレット、焼結鉱は石炭を加工したコークスなどとともに高炉へ投入され製鉄される。