オーストラリア
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BP統計によればオーストラリアの2021年における年間石炭生産量は約4億8000万トン。世界5位の石炭生産国であり、世界全体の年間石炭生産量の約6%を占める。
オーストラリアでは同国東部を中心に石炭生産が行われており、同国の主要石炭埋蔵地域であるクイーンズランド州(Queensland)のBowen Basin(ボーエン盆地)及びニュー・サウス・ウェールズ州(New South Wales)のHunter Valley Coal Chain(ハンター・バレー)で資源メジャーをはじめとして様々な資源企業によって集中的に開発・生産が行われている。またビクトリア州(Victoria)では褐炭生産が行われている。
Bowen Basinはクイーンズランド州の都市Mackay北西部に位置するCollinsvilleからGladstone南西部に位置するTheodore南部まで広がる石炭埋蔵地域であり、生産された石炭はGladstone港やDalrymple Bay港などから海外へ出荷されている。Hunter Valleyはニュー・サウス・ウェールズ州東部のGunnedah・Ulan・Newcastleを結ぶ地域であり、生産された石炭の主要積出港はNewcastle港。
ビクトリア州では世界最大級の褐炭埋蔵地域であるGippsland Basin(ギプスランド盆地)のLatrobe Valleyで褐炭生産が行われており、石炭鉱山としては国内最大級の生産規模を持つLoy Yang鉱山(国内企業AGL、年間褐炭生産3000万トンクラス)やYallourn鉱山(香港CLPグループのEnergyAustralia、年間同1800万トンクラス)が同州の褐炭生産において大きなシェアを持っている。2鉱山で生産された褐炭は主にビクトリア州内をはじめとしたオーストラリアの発電所へ供給されている。
UN Comtradeによれば2021年ではオーストラリアは※世界最大の石炭輸出国となっている。DISERによればオーストラリアでは2021年に原料炭・一般炭合計で約3億6600万トン(原料炭約1億6700万トン・一般炭約1億9900万トン)の石炭が主にアジアへ輸出されており、日本への輸出量がオーストラリア全体の年間石炭輸出の約3分の1を占めている。2020年まで主要石炭輸出先であった中国への輸出量は急減し、2021年では中国への石炭輸出はごく僅かとなっている。
2020年におけるオーストラリアの石炭埋蔵量は約1500億トンとされており、世界3位の石炭埋蔵国。世界全体の石炭埋蔵量の約14%を占めている。
※州別生産シェアグラフはDISERデータにEarth Resources(ビクトリア州)データを加えて作成
※石炭輸出量世界ランキングはUN Comtradeに石炭輸出量データの無い国除く
※輸出先比率グラフは全体・日本・台湾はDISER、インド・韓国・ベトナムはUN Comtradeデータで作成
参考:BP Statistical Review Of World Energy、Department of Industry, Science, Energy and Resources、Earth Resources、United Nations Comtrade、各社HP