オーストラリア
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DISERによればオーストラリアの2021年における銀の年間生産量は約4300万オンス(約1,330トン)。※世界4位の銀生産国であり、世界全体の年間銀生産量の約5.2%を占める。
オーストラリアでは銀生産は国内広域にわたって行われており、2021年ではクイーンズランド州(Queensland)での生産量が国内全体の年間銀生産の約3分の2を占めている。オーストラリアでは銀は亜鉛や金など他の資源とともに生産されており、世界最大級の銀鉱山を所有する国内企業South32や国内最大級の亜鉛鉱山を所有するGlencoreが国内の銀生産において大きなシェアを持っている。
クイーンズランド州
オーストラリア国内最大の銀生産州であるクイーンズランド州では同州西部を中心に銀生産が行われており、国内最大(世界最大級)の銀鉱山であるCannington鉱山からSouth32によってオーストラリア国内全体の年間銀生産の約3分の1を占める年間1400万オンスクラスの銀が生産されている。また同州ではGlencoreが所有する国内最大の亜鉛鉱山であるMount Isa鉱山(Lady Loretta)から年間500~600万オンスクラスの銀が生産されている。
その他の州
オーストラリア国内でクイーンズランド州に次ぐ銀生産州であるニュー・サウス・ウェールズ州(New South Wales)では同州西部にある100年以上の操業歴史を持つBroken Hill鉱山や同鉱山近隣のRasp鉱山から亜鉛や鉛とともに銀が生産されている他、同州中央部のCobarを中心にPeak鉱山、Cobar(CSA)鉱山などの金鉱山や銅鉱山から銀が生産されている。
同国南部のタスマニア州(Tasmania)では多資源鉱山であるRosebery鉱山から州内最大の銀生産量となる年間280万オンスクラスの銀が生産されている(MMG)。また同州では鉱山生産過程で生じる尾鉱からの亜鉛・鉛・銀資源抽出が行われている(Hellyer鉱山、NQ Minerals)。
ノーザンテリトリー(Northern Territory)ではGlencoreが同州北東部に所有する国内最大級の亜鉛鉱山であるMcArthur River鉱山から州内最大となる年間180万オンスクラスの銀が生産されている。
南オーストラリア州(Western Australia)では資源メジャーBHPが同州中央部に所有する国内最大級の銀鉱山であるOlympic Dam鉱山から金やウランとともに州内最大となる年間80~90万オンスクラスの銀が生産されている他、国内企業OZ Mineralsが州内に所有する銅鉱山から銀が生産されている。
USGSによれば2021年におけるオーストラリアの銀埋蔵量は約90,000トンとされている。ペルーに次いで世界2位の銀埋蔵国であり、世界全体の銀埋蔵量の約17%を占めている。可採年数は約68年。
※銀生産量世界ランキングはSilver Instituteデータ
参考:Department of Industry, Science, Energy and Resources、Silver Institute、U.S. Geological Survey、Geoscience Australia、Department of Home Affairs、各社HP