リチウム
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USGSによればリチウム(純分)の2020年の年間世界総生産量は約82,500トン。炭酸リチウム換算(LCE)で約441,000トン。オーストラリア・チリ・中国の生産上位3か国合計で世界全体の年間リチウム生産量の約90%を占める。
リチウムの生産方法は大きく塩湖から塩水を汲み上げて濃縮させた後に炭酸リチウム精製を行う方法と、鉱床から鉱石を採掘する方法に分けられる。
塩水からの生産を行っている国は主にチリ、アルゼンチン、中国、米国。チリでは第Ⅱ州(アントファガスタ州)東部にあるアタカマ塩湖(Salar de Atacama)、アルゼンチンでは同国北部カタマルカ州にあるHombre Muerto塩湖(Salar del Hombre Muerto)、米国ではネバダ州西部のSilver Peak(シルバー・ピーク)で塩水からのリチウム生産が行われている。
鉱山生産の主要国はオーストラリアであり、西オーストラリア州南西部にあるGreenbushes鉱山からの生産が大きなシェアを持つ。その他、ブラジルやジンバブエ、ポルトガルなどでも鉱山生産が行われている。鉱石のタイプは様々なものが存在するが、生産シェアの大きいオーストラリアではリチア輝石(スポジュメン)の生産が行われており、同国では2020年において年間約143万トンのリチア輝石が生産されている。
USGSによればリチウムの2021年における世界全体の埋蔵量は約2200万トンとされる。チリが埋蔵量920万トンで世界最大のリチウム埋蔵国となっている。塩水に含まれるリチウム資源としてはチリのアタカマ塩湖の他、アルゼンチンのサルタ州(Salta)にあるリンコン塩湖(Salar del Rincón)、ボリビアのウユニ塩湖(Salar de Uyuni)に資源が豊富にあるとされているが、ボリビアでの生産はごく僅かな量となっている。
※純分・LCE生産量合計と世界生産シェアデータは全て米国・ボリビア・ナイジェリアの生産量を除いた数値(USGSでは生産量不明の為)。米国・ボリビア・ナイジェリアについては生産国分布図のみBGSデータで作成。
リチウム生産国(2020年)
- アルゼンチン
- オーストラリア
- ジンバブエ
- 中国
- チリ
- ナイジェリア
- ブラジル
- 米国
- ボリビア
- ポルトガル
参考:U.S. Geological Survey、British Geological Survey