資源企業
世界の主な資源企業について。
Rio Tinto(リオ・ティント)
概要 | ||||||||||||||||||||||||
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Rio Tinto(リオ・ティント)は世界各国に拠点を構えて多種類にわたる資源を取り扱う世界最大級の資源企業であり、資源三大メジャーの1社。英国企業であるRio Tinto plcとオーストラリア企業であるRio Tinto Limitedがそれぞれ英国の証券取引所であるLSE(ロンドン証券取引所)、オーストラリアの証券取引所であるASX(オーストラリア証券取引所)に上場する二元上場会社(dual-listed company、DLC)。
1873年にスペイン南部の都市Huelva近隣にあるRio Tinto銅鉱山の開発を目的として設立された英国資本であるRio Tinto Companyと、1905年にオーストラリアの鉱業都市として知られるBroken Hill(ブロークン・ヒル)での亜鉛鉱山の開発を目的として設立されたオーストラリア資本であるConsolidated Zinc Corporationが前身。
1950年代に入りRio Tinto Companyがスペインの資産の売却を開始し、1962年にConsolidated Zinc Corporationと合併してRio Tinto-Zinc Corporationを設立するとともに、オーストラリアの両社の資産を統合してConzinc Riotinto of Australia Limitedを設立する。合併により英国とオーストラリアに設立されたRio Tinto-Zinc Corporation、Conzinc Riotinto of Australia Limitedとも、その後それぞれRTZ Corporation、CRA Limitedへと社名変更。1995年に二元上場会社となり、1996年にはさらにRTZ Corporation、CRA LimitedはそれぞれRio Tinto plc、Rio Tinto Limitedへと社名変更されている。
鉄鉱石生産世界2位。また、2007年にアルミ大手のAlcan(アルキャン)を買収して設立された完全子会社Rio Tinto Alcan(リオ・ティント・アルキャン)はアルミ生産世界一。
ダイヤモンド生産世界最大規模のArgyle(アーガイル)鉱山を所有しており、ダイヤモンド生産も世界最大級。ウラン生産においてもカナダのCameco(カメコ)やフランスのAreva(アレバ)とともに世界最大級の生産規模を持つ。
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2008年のRio Tintoグループ全体の部門別売上高ではAlcanの買収により規模を拡大したAluminium(アルミニウム)部門の比率が高くなっている。Otherは金、モリブデンなど。
Industrial Mineralsはチタン、滑石、塩など。2007年データのCopperは金を含んだデータ。Energyは石炭、ウラン。
資源価格の上昇により高い純利益を計上していたが、経済危機による資源需要の減少に伴う資源価格の下落、そしてアルミ部門の不振により2008年では大幅な減益。Alcanとの統合により拡大したアルミ部門ののれん減損処理で約70億米ドルを計上していることが大きな原因となっている。多額の負債を圧縮するため複数の資産の売却を余儀なくされ、2009年はじめには資本増強のため中国企業であるChinalco(中国アルミ)の出資を引き入れることで合意している。Chinalcoの出資に関してはRio Tintoの経営権取得はないものの、オーストラリアのRio Tintoの主力であるHamersley Ironの権益の一部を譲渡するなど、中国企業のオーストラリア資源への本格的進出に対する懸念によりオーストラリア国内では反対の声も起きている。
中国アルミの出資はRio Tintoの株主の反発が強く白紙撤回され、代替案として152億米ドルの株主割当増資、そしてBHP Billitonと鉄鉱石事業の統合を発表している。
実績(半期) |
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Rio Tintoの2009年半期実績では前年同期比(2008年H1)で純利益65%減。石炭やウランなどのエネルギー部門は堅調に推移しているものの、主力である鉄鉱石やアルミ(ボーキサイト、アルミナ含む)の売上高の大幅減少が影響している。
特にアルミ、銅、モリブデン部門など価格下落の激しい部門の前年同期比での売上高の落ち込みが大きく、アルミ部門、ダイヤモンド部門は赤字となっている。
生産量ベースでは鉄鉱石は微減、銅は増加。
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Rio Tintoはオーストラリア最大の鉄鉱石生産企業であり生産量はブラジルのVale(ヴァーレ)に次いで2位。オーストラリア国内が生産の中心でありカナダでも生産を行っている。
鉄鉱石の主要産地であるオーストラリアでの鉄鉱石権益を、資源メジャーのBHP Billiton(BHPビリトン)との2社でほぼ独占している。2008年に入り豊富な鉄鉱石資源量を持つFortescue Metals Group(フォーテスキュー・メタルズ・グループ)が年間5000万トン規模の鉄鉱石生産を開始したことからオーストラリア国内ではBHP Billiton、Rio Tinto、Fortescue Metals Groupの3社が主要鉄鉱石生産企業となっている。
オーストラリアでは大きくHamersley Iron(ハマスレー)、Robe Rover Iron Associates(ローブ・リバー)、Hope Downs JV(ホープ・ダウンズ)に分かれる。西オーストラリア州のPilbara(ピルバラ)地域で生産を行っており、完全子会社であるHamersley Ironが生産を行っているHamersley OperationがRio Tintoの主力。また2000年にオーストラリアの資源企業North(ノース、旧North Broken Hill Peko)を買収したことによりRobe Rover Iron Associatesの権益を取得している。権益を50%所有するHope Downs(ホープ・ダウンズ)鉱山からの生産は2007年4Qに開始している。
BHP Billitonと西オーストラリア州での鉄鉱石事業を統合して新企業を設立し、折半出資のJVとすることで合意している。統合を予定している事業は鉱山生産、開発、運搬部門であり、販売はそれぞれが独自に行うこととなる。統合の完了は2010年半ばになる見通し。
カナダではNorthを2000年に買収したことによりカナダ国内最大の鉄鉱石生産企業であるIron Ore Company of Canada(IOC)の権益を58.7%取得。IOCは日本の商社である三菱商事などとのJVであり、ニューファンドランド・ラブラドール州で鉄鉱山から鉄鉱石を生産している。
ブラジルでは隣国のボリビアとの国境付近でCorumba(コルンバ)鉄鉱山を所有していたが、負債の圧縮のために2009年に同国の資源大手Valeに売却しており、ブラジルの鉄鉱石事業からは撤退している。
2008年のRio Tintoの年間鉄鉱石生産量は約1億5300万トン。Hamersley Ironの生産量がグループ全体の約7割を占める(JV含むRio Tinto権益ベース)。
Rio Tintoのアルミニウム部門は2007年に設立したRio Tinto Alcan(リオ・ティント・アルキャン)が担っている。
アルミニウムの原料であるボーキサイトの2007年の年間生産量は2100万トン。
中間製品であるアルミナの年間生産量は387.7万トン。
アルミニウムの年間生産量は148万トン。
ボーキサイト、アルミナ、アルミニウムともに生産量は年々上昇傾向にある。特に2006年と2007年の年間生産量を比較すると、飛躍的に上昇している。
Rio Tintoのウラン部門はオーストラリアやナミビアでの生産。カナダのCameco(カメコ)と並ぶ世界最大級のウラン生産規模を持つ。両国での生産においてそれぞれ傘下企業が生産を行っている。
オーストラリアでは2000年にNorthの買収により取得した国内ウラン生産大手Energy Resources of Australia(ERA)が生産を担っており、Rio TintoはERAの株式68.4%を所有している。ERAはオーストラリア国内最大のウラン鉱山であるRanger(レンジャー)鉱山から生産を行っている。
ナミビアでは傘下のRossing Uranium(ロッシング・ウラニウム)が生産を担っており、Rio TintoはRossingの株式68.6%を所有している。
Rio Tintoの2009年の年間ウラン生産量は約6,414U3O8トン。
Rio Tintoのダイヤモンド部門はオーストラリアやカナダでの生産。またジンバブエでも少量生産を行っている。世界最大のダイヤモンド生産企業De Beers(デビアス)に次ぐ世界最大級のダイヤモンド生産規模を持つ。
主力は世界最大のダイヤモンド鉱山であるオーストラリアのArgyle(アーガイル)鉱山であり、2000年にJVパートナーのAshton Mining(アシュトン・マイニング)を買収して権益を完全取得している。Argyle鉱山では資源が枯渇傾向にあり、同鉱山における年間ダイヤモンド生産量は大幅に減少。2010年頃に現行の露天堀による採掘を終了し坑内掘を開始することでマインライフを伸ばす計画を立てている。
カナダでは国内最大のダイヤモンド鉱山であるDiavik(ダイアヴィク)鉱山の生産においてカナダ企業Harry Winston Diamond(ハリー・ウィンストン)とJVを組んでいる。
Rio Tintoの2009年の年間ダイヤモンド生産量は約1393万カラット。
Rio Tintoの石炭部門は米国とオーストラリアに生産拠点を置いている。生産量の比率は米国の方が大きい。
米国での生産は同社の完全子会社であるRio Tinto Energy America(RTEA)、オーストラリアでの生産は同じく同社の完全子会社であるRio Tinto Coal Australiaが担っている。Rio Tinto Energy Americaは2006年にKennecott Energy Companyから社名変更している。
Rio Tintoの石炭部門における主力炭鉱は米国のAntelope鉱山、Codero Rojo鉱山、Jacobs Ranch鉱山であり、この3鉱山で2007年の同社の年間石炭総生産量の約65%を占める。Jacobs Ranch石炭鉱山は2009年に米国の石炭大手Arch Coal(アーチ・コール)へ売却している。
2007年の年間石炭生産量は1億5565万トン。
Rio Tinto(リオ・ティント)の主な鉱山とその産物、生産に携わる傘下企業・JVの名称。
インドネシア |
・Grasberg | - | 銅・金・銀 | ※ | Grasberg joint venture |
オーストラリア |
・Argyle | - | ダイヤモンド | ※ | Argyle Diamonds |
・Bengalla | - | 石炭(一般炭) | ※ | Rio Tinto Coal Australia(RTCA) |
・Blair Athol | - | 石炭 | ※ | RTCA |
・Brockman | - | 鉄鉱石 | ※ | Hamersley Iron |
・Channar | - | 鉄鉱石 | ※ | Hamersley Iron |
・Eastern Range | - | 鉄鉱石 | ※ | Hamersley Iron |
・Gove | - | ボーキサイト | ※ | Rio Tinto Alcan |
・Hail Creek | - | 石炭(原料炭) | ※ | RTCA |
・Hope Downs | - | 鉄鉱石 | ||
・Hunter Valley | - | 石炭(原料炭・一般炭) | ※ | RTCA |
・Kestrel | - | 石炭(原料炭・一般炭) | ※ | RTCA |
・Marandoo | - | 鉄鉱石 | ※ | Hamersley Iron |
・Mesa J | - | 鉄鉱石 | ||
・Mount Thorley | - | 石炭(原料炭・一般炭) | ※ | RTCA |
・Mt Tom Price | - | 鉄鉱石 | ※ | Hamersley Iron |
・Nammuldi | - | 鉄鉱石 | ||
・Northparkes | - | 銅・金 | ||
・Paraburdoo | - | 鉄鉱石 | ※ | Hamersley Iron |
・Ranger | - | ウラン | ※ | Energy Resources of Australia(ERA) |
・Robe River | - | 鉄鉱石 | ||
・Tarong | - | 石炭(一般炭) | ※ | RTCA |
・Warkworth | - | 石炭(原料炭・一般炭) | ※ | RTCA |
・Weipa | - | ボーキサイト | ※ | Rio Tinto Alcan |
・West Angelas | - | 鉄鉱石 | ||
・Yandicoogina | - | 鉄鉱石 | ※ | Hamersley Iron |
カナダ |
・Diavik | - | ダイヤモンド | ※ | Diavik Diamond Mines |
ジンバブエ |
・Murowa | - | ダイヤモンド |
チリ |
・Escondida | - | 銅・金・銀 | ※ | Minera Escondida |
ナミビア |
・Rossing | - | ウラン | ※ | Rossing Uranium |
米国 |
・Antelope | - | 石炭(一般炭) | ※ | Rio Tinto Energy America(RTEA) |
・Barneys Canyon | - | 金 | ||
・Bingham Canyon | - | 銅・金・銀・モリブデン | ※ | Kennecott Utah Copper |
・Codero Rojo | - | 石炭(一般炭) | ||
・Colowyo | - | 石炭(一般炭) | ※ | RTEA |
・Cortez/Pipeline | - | 金 | ※ | Kennecott Minerals |
・Decker | - | 石炭(一般炭) | ※ | RTEA |
・Greens Creek | - | 金・銀 | ※ | Kennecott Minerals |
・Jacobs Ranch | - | 石炭(一般炭) | ||
・Rawhide | - | 金 | ※ | Kennecott Minerals |
・Spring Creek | - | 石炭(一般炭) |
南アフリカ共和国 |
・Palabora | - | 銅 | ※ | Palabora Mining |
Rio Tinto(リオ・ティント)の主な開発プロジェクトとその予定される産物、開発に携わる傘下企業・JVの名称。
インド |
・Orissa | - | 鉄鉱石 | ※ | Rio Tinto Orissa Mining |
オーストラリア |
・Clermont | - | 石炭 | ※ | RTCA |
・Mt Pleasant | - | 石炭 | ※ | RTCA |
カナダ |
・Humphrey Main | - | 鉄鉱石 | ※ | Iron Ore Company of Canada(IOC) |
・Luce | - | 鉄鉱石 | ※ | IOC |
ギニア |
・Simandou | - | 鉄鉱石 | ※ | Rio Tinto Simandou |
セルビア |
・Jadar | - | リチウム | ※ | Rio Sava Exploration |
ペルー |
・La Granja | - | 銅 |
米国 |
・Eagle | - | ニッケル | ※ | Kennecott Minerals |
・Pebble | - | 銅 | ||
・Resolution | - | 銅 | ※ | Resolution Copper Mining |
・Sweetwater | - | ウラン |
マダガスカル |
・QIT Madagascar Minerals | - | ミネラルサンド | ※ | QIT Madagascar Minerals(QMM) |
モンゴル |
・Oyu Tolgoi | - | 銅 |
参考:各社HP